「健康寿命延ばすまちへ」
「国立循環器病研究センターが移転開業」のタイトルで府議団の視察内容が公明新聞に掲載されました。
下記、2019年11月16日付 公明新聞 7面より。
大阪府吹田、摂津両市にまたがるJR東海道線岸辺駅前の旧国鉄吹田操車場跡地で開発が進む医療クラスター(集積地)の「北大阪健康医療都市」(健都)。その中核施設となる国立循環器病研究センター(国循)が今年7月、吹田市北部から移転開業している。国が推進する「健康寿命の延伸」をリードするまちづくりに注目が集まっている。
■開発進む医療クラスターの中核に
「国循」は、全国に6カ所ある国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター)の一つ。主に心臓病や脳卒中などの循環器病について最先端の治療・研究を行い、心臓移植は130例と国内最多。10年生存率は95%と世界でも最高水準の実績を誇る。
1977年に吹田市北部の千里地区に開設されたものの、建物の老朽化に伴い、2013年に今回の操車場跡地への移転建て替え方針を決定。16年に着工した。
建物は地上10階地下2階建てで、延べ床面積約13万平方メートル。28診療科で構成され、病床数は550床。外科手術と内科のカテーテル手術が同時にできるハイブリッド手術室を4室備えるほか、循環器診療に特化した国内唯一の医療従事者向けのトレーニング施設なども設けられている。
また、特に力を入れているのが、業種や分野を超えた交流・連携で新たな技術や価値を生み出す「オープンイノベーション」の取り組みだ。広さが約2000平方メートルの「オープンイノベーションラボ」では、“ひとつ屋根の下に”をコンセプトに、企業や大学などが入居し、フレイル(加齢による運動・認知機能の低下)予防の治療薬開発や、3Dプリンターで作った心臓模型の医療機器への承認など、幅広いテーマで「国循」と共同研究を行う。現在、面積の約9割の入居が決まっており、順次稼働している。
「健都」全体は約30ヘクタールの広さがあり、「国循」の移転建て替え決定を契機に、吹田、摂津両市と府、「国循」など関係機関が連携し、循環器病の予防医療や健康づくりをテーマにしたクラスター整備を進めてきた。
「国循」以外にも、市立吹田市民病院や高齢者向け住宅、複合商業施設などが立ち並ぶほか、「国循」と市民病院が監修したウオーキングコースや健康器具などを設置した公園も。さらに、「国循」と連携する企業や機関のための進出用地「健都イノベーションパーク」では今後、産学連携拠点(アライアンス棟)の整備が進められ、既に国立健康・栄養研究所(東京都)などの進出が決まっている。
■府議会公明党も「国循」移転後押し
府議会公明党(肥後洋一朗幹事長)はこれまで、12年2月定例会で三浦寿子議員が操車場跡地の有効活用を主張。地元市と連携し「国循」の誘致を後押しするなど、健都のまちづくりを一貫して推進してきた。
府議会公明党はこのほど、熊野正士参院議員と共に「国循」を視察し、小川久雄理事長らと意見交換。小川理事長は「健康寿命の延伸に向けた予防医療をさらに推進し、地域全体を健康・医療のまちにしていきたい」と話していた。
視察を終えた熊野氏と肥後幹事長は「25年大阪・関西万博のテーマ『いのち輝く未来社会のデザイン』をリードする先進的な取り組みだ。さらに支援していきたい」と語った。