こんにちは 肥後洋一朗です。
本日、大阪府犬管理指導所に視察に行ってきました。
府は、「人と動物、自然との共生できる社会」の実現を目指すため、各種動物関係施策を推進する拠点施設となる「大阪府動物愛護管理センター(仮称)」(以下動愛センターという)の整備を予定しています。このため、平成24年3月に動愛センター基本構想を策定しました。
今後は、基本構想をもとに、多くの府民の方々の理解と協力が得られるような、誰もが憩い、利用できる親しみやすい施設とし、周辺環境にも十分配慮した施設とするよう計画を進めていきます。
核家族化、少子高齢化の進展など社会的背景の変化に伴い、犬やねこなどのペットを飼養する人が年々増加しています。そしてペットを家族の一員として捉える人が多くなるなど、年々、生活における動物の重要性は高まっています。
しかし、一方で動物の間違った飼養による近隣とのトラブルや安易で身勝手な飼育放棄、動物虐待などの行為が社会問題となっています。
視察に行った府犬管理指導所の所長さんによると、
飼い主の方が高齢や病気などで飼えなくなった・・・
転居先がペット禁止だから・・・
飼っていた犬が年老いてしまったから・・・
噛み癖がついて言うことを聞かないから・・・
経済的に大変なので・・・
様々な理由により、飼い主がペットを保健所に引き取りの依頼をされています。また、中には勝手に捨ててしまう人もいるそうです。
結局、そうして引き取られた犬や猫は、最終的には残念ながら行政施設で殺処分されています。
大阪府でも平成23年度大阪府犬管理指導所で殺処分されたペットの数は、犬が384頭、猫が2533頭、計2917頭に上ります。
この殺処分の現状をあまり、認識していない方も多くいらっしゃると思います。
「命の大切さ」を考えたときに殺処分はできるならやめてほしいと思うのは、当然のことと思います。
しかし、自治体に持ち込まれた動物をすべて欲しい人に譲渡することはとても難しいことです。
多くの犬や猫が先ほど示した様々な理由で保健所等に引き取られています。
もちろん、行政も全く何もしていないわけではなく、大阪府でも少しでも殺処分しないように飼い主の方に返還したり、また欲しい方に譲渡できるように頑張っておられます。
今日、視察した府犬管理指導所は、老朽化が激しい上に、収容施設が日の当たらない地下にあり、かつ、通風も悪く、湿度・温度管理もできないため、収容された動物にとって劣悪な環境となっています。
また、そこで働く職員さんにとっても良い環境ではありません。
本施設は狂犬病予防法に基づく犬の抑留施設として設置されているため、動物愛護機能は備えていません。
また、府内の関連施設の一部が遠い場所にあり、獣医師の往診や見学者の来場にも
不便です。
ペットの殺処分のことを多くの府民の方に知ってもらわなければなりません。
そのためにも、こういった動物行政の諸問題を解決し、人と動物が共生できる社会の実現を目指すため、大阪府は各種動物関係施策を推進する拠点となる施設「大阪府動物愛護管理センター(仮称)」の平成28年開設を目指しています。
まさにこれからの重要な施設になります。私もこの件についてはしっかりと注視して参ります。
下の写真は犬管理指導所にある動物の「慰霊碑」です。